EXPOSITION Ⅳ

南と北に長い三重県は、大都市に近い北と、
雑踏から隔てられた紀伊半島の先端に近い南ではまるで風景が違う。
それどころか視覚を飛び越えて流れる時間までもが違うかのような錯覚を呼び起こす。
かつては、人びとが集い、その土地の文化を担い、
世代が継承されて行く中心としてあった、その廃校たち。
私が撮りはじめた四年ほど前には、
三重県全体で約百校の休廃校になった小中学校の校舎が残っていた。
このような廃校舍は圧倒的に三重県南部に多い。
都市から遠い交通の不便な南ではその廃校舍が利用される事もあまり無い。
ひたすら朽ちて行くのを待っているかのように静かに佇んでいる。
役割を終えて撮影後に取り壊され、現存しない校舎もある。
学び舎には、喜びや悲しみなどあらゆる情感が満たされている事も確かである。
しかし、私が魅かれたのは「懐かしの木造校舎」と言った平板なノスタルジーではなく、
時間そのものが作り出す風景のディテールに外ならない。

撮影は2004年1月から始まり現在も続いている。
撮影は全て4×5インチの大型カメラ、ポジフィルムの撮影

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